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M 先輩 [夢]

みなさんにもこころが求める対象っていろいろあるでしょう?たとえばそれが人だったりした場合、年々同世代よりも下だったりしてません?それが少しだけ恥ずかしくて、気が引けたりしません?つまらないことにつまづいて、気分が盛り下がらないように普段は気にしないようにしてるけど、肩身がせまいときもある…そんな現場( たとえばLIVEね!)にも寄り付いていますが、こないだはね、違いましたの。


昨年、5年ぶりに発表された「最愛の子ども」が、泉鏡花賞を受賞して。そんな松浦理英子さんが自身の代表作を語るという、飯田橋文学会<現代作家アーカイブ>というレクチャーに一般参加で行って参りました。作家自ら自作を語るという興味深い機会をフィルムとして記録するという試みなので、どんな切り口で作品について聞けるのかと、年頭から過去の作品をほぼ読み返してみました。進行を務める女性が果敢に個人的感想を持って質問を投げかけるのが、多少松浦さんの意図と逆行するところもありつつ、そのお陰で「…そうではない」ってことが鮮明に判るという、やはり時間はいくらあっても足りない…そんな終盤、「最愛の子ども」より 松浦さんの選んだクライマックス部分の自らの朗読には、その真髄に降りる響きがあり、文字を追わず、頭に残る描いた場面のイメージが耳より忍び込んでくるような、作家の凄みに射られました。


作品に出会って30年、本棚から消えること無い表現者の肉声と、語られた個人的手触りある気概、「先輩」を尊敬しております。


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サイン会が開催されるとは知らず、この日読み返していたエッセイの序文部分。
書き入れてくださった位置に感動。。。
正に、わたしにとっての…

動揺すると脚がガタガタ震えるという病を、数年ぶりに発症してしまい、
質疑応答コーナーで、当てられてもきっと上手く伝えられなかったと思うけれど、
今現在のわたしが、全作品の中で沁みている「犬身」主人公
フサにとっての朱尾という存在感が絶妙な距離感で、
松浦さんにとって、もし朱尾的存在があったらどんな気持ちですか?とか、
お尋ねして、個人の外側にいる支え的な存在感について、
どんな考えを持っていらっしゃるのか知りたかったな。


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コメント 4

うりくま

これが、その出会いだったのですね!
泉鏡花賞受賞、おめでとうございます。まだ
『最愛の子ども』読んでいませんが予約入れて
みます(^^)。話題になった「親指P・・」
の著者の方、「犬身」も面白そうです。
以前飯田橋近くに住んでいたけど飯田橋文学会
というのも初耳でした。会場はT大なのかな?
駒場、本郷共に大昔に大学のサークルで通い、
息子の療育でもお世話になった場所なので
いろいろあったけど少しだけ懐かしい(笑)。
by うりくま (2018-02-08 22:32) 

トロル

はい、そうなんです〜。お正月に何気なく検索していて、偶然見つけたシリーズ化されたレクチャーだったのですが、今回13回目だそうです。毎回同じ会場かは分かりませんが、駒場の校舎で聴きました。この体験、うりくまさんにさりげなくリクエストされなければ、書けそうもなくてきっと書かなかったと思います。書き残せて、結果的に後から自分でも余韻に浸れるし…良かったです。ありがとー。
「親指P」からはっきりと文体に躊躇いなく…剽軽さが現れてとても読みやすくなっています。やはり、そこで作家として賭けたところだと話されていて、ファンとして聴き逃せないお話をされていました。
わたしのとくにすきな「犬身」の朱尾は、メフィスト・フェレスのイメージだそうで、ゲーテ「ファウスト」を読んでみようかと手に取りましたが、んんん、んー、読み遂げられるか自信ないわたしです。。。
うりくまさん、読んでます?
by トロル (2018-02-08 22:57) 

うりくま

こんばんは。高校生の頃、文学・美術・
音楽に繋がるドイツロマン主義に惹かれて
ゲーテの一連の作品は読んでいるはずです。
ノヴァーリスの「青い花」を求めて古本屋
を探し回ったり。時代は違うけどダンテの
「神曲」もファウスト同様、いろんな作品
に取り上げられるので頑張って読んだけど
あまり理解できなかったのか、どちらも
内容は殆ど覚えていないですが(^^;)。
予約した「犬身」と「悩み相談」みたいな
本が回ってきて、明日図書館に引きとりに
行きます。ややマイルドそうな所から読んで
みようかと。ご紹介頂き有難うございます!
by うりくま (2018-02-14 22:35) 

トロル

うりくま さま
やはり!読んでますよね。わたし、翻訳の文体が古くて言い回しが堅苦しかったりすると、とたんに読み進む速度が落ちる、その苦しさもどかしさの為に、、、避けていた興味ある本が多々ありまして…お恥ずかしい。
とりあえず、30ページくらい読めれば、意外とするーっと行けそうなんですけどね。文体に慣れれば、内容の興味が勝ってくるとはわかってるだけど。
ヘッセの「荒野のおおかみ」に、わたしのイメージする朱尾とフサの対話に近い、ヘルミーネとハリーが居たのを思い出したので、そこをまず再読してみようと、本箱の奥から引っ張り出したところです。
あと、漫画の話で思い出したのですが、好きなタイプは…
美男なのに何故か損な役回りの、お母さんみたいなお節介さもある優男です。← 乙女の憧れ♡
by トロル (2018-02-15 23:18) 

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